【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 “1%”の歩むべき道!

▼「燕雀いずくんぞ鴻鵠(こうこく)の志を知らんや」という諺がある。小人物は大人物の遠大な志を知ることができない、という意味で使われる。だがこの諺の裏には、傲慢で鼻持ちならない超エリート意識が溢れ返っている。

(鴻はおおとり、鵠はくぐい=白鳥の古名、写真はタンチョウ。いずれも大きい)
▼1月6日、政府・与党は「社会保障と税の一体改革大綱」を決定した。消費税増税を含むこの決定を受けた共同通信世論調査によると、74%が「首相の説明不足」を挙げている。
内外に吹く逆風の中、「待ったなし!」との信念なのかもしれないが、「ネバー」を4回も繰り返してギブアップしないことをアピールした。ただ、4人に3人までが説明不足を挙げていることは尋常ではない。
▼就任と同時に人格が豹変、失語症となった野田首相。まさか、「国民いずくんぞ政治家の志を知らんや」と開き直ってるのじゃないだろうが、財務省寄りの手法も目立ち始めた。そうなれば、「大衆愚民いずくんぞ官僚の志を知らんや」が現実味を帯びてくる。「官の時代」がゾンビのように息を吹き返す可能性がある。
▼「アラブの春」は、独裁政治に抵抗する勢力によって成し遂げられた。“ウォール街占拠運動”は、富を独占する1%の富裕層に対して99%の貧困層が起こした反乱だ。
▼人が最も罹りやすい病がある。支配欲病と金銭欲病だ。この二つの病に同時に冒されると、人は盲目になるといわれる。世界中の1%のリーダーたる者、くれぐれも「鴻鵠いずくんぞ燕雀の心を知らんや」とならぬように・・・。残99%の一人としてお願い申し上げる。