【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 珍樹「ナマケモノ」!

▼「彼らは、時間と言うものの概念が現代人とまったく違います」そう言ったのは、人類発祥の地アフリカから祖先の拡散の足取りを辿る旅「グレート・ジャーニー」を続けた関野吉晴だった。
▼彼らとは、オリノコ川水源地帯に住むヤノマミ族のこと。訪問して3年目でようやく一家族から声がかかり、受け入れてもらったそうだ。
▼「ヤノマミ族は太陽の位置によって時間を知りますが、曇っていたり、雨が降っていると太陽が見えない。すると僕のところに時計を見に来るんです。時計を見て、今、太陽はこのへんだとわかる。彼らは時計のことを「太陽」と呼んでいます」
▼東京都の2倍ほどの面積の土地に、わずか1000人程度しか住んでいないタンザニアのハッザ族も同様のようだ。彼らには、明日、明後日の先の言葉がないという。弓矢と鍋、釜などわずかな家財道具以外、モノは持たない。移動するのに不便だからだと言う。
▼う〜ん、まさに先史時代の狩猟、採取生活を満喫している風。しかも、それを変える意志はないという。「これが伝統、これでいいんだ」

▼時間に追い詰められる現代の生活が幸せなのか、それとも原始生活のほうが幸せなのか?モチロン、思うだけ野暮なんだけど、チョッとだけ考えさせられる。
▼「ただ、彼らには酷寒の季節はないのだろうなぁ…。酷寒の季節がある場所に暮らせば、食料を蓄えるということを覚えにゃなるまい」
▼春の到来を心待ちしながら、去年の秋に撮った写真を覗いていたら、なにやら珍獣「ナマケモノ」の顔に似た珍樹の写真を見つけた。う〜む、どこかヤノマミ族やハッザ族の顔に似てるなぁ…。