※「煮るなり 焼くなり 二宮和成」のCMで話題になった二宮和也の主演映画、「ラーゲリより愛を込めて」が好評らしい。「ラーゲリ」とは、旧ソ連シベリアの「強制労働収容所」。第2次大戦敗戦後、大勢の日本人が悲惨な抑留生活に苦闘し続けた地だ。
(NW2022・12・13号表紙より)
※実は「ラーゲリ」という言葉を知ったのは8年ほど前のことだ。知人から「ラーゲリから来た男」(確かそんなタイトルだったなぁ)という自主上映映画会の誘いを受けたのだ。上映場所は当地公民館視聴覚ルーム。20人に満たない人々が集まった。
※仕立てはラーゲリ―抑留者たちのインタビュー構成。若い素人女性が小さなデジカメを持って跳び歩き、1人でインタビュー、1人で録音、1人で編集。シナリオなどなかったらしい。インタビュー中の雑音、画像の粗さ・・映画とは言えない稚拙さだった。
(冬を耐えて乗り越える希望の芽、ウクライナの人々に)
※だが、90歳近くの「ラーゲリーから来た男」たちの証言は余りにも生々しかった。目覚めたら隣の元兵士が凍死してた話、凍傷で指を失った話、貨車に乗せられ帰国できると喜んだ男が到着後知ったのは収容所だった話・・それらは映画の稚拙さを陵駕した。
(来年の春を目指して・・・石楠花の冬芽)
※涙なしには観れなかった。そのドキュメンタリーを制作した若い素人女性に感動した。「よくも、ラーゲリについて寡黙な元抑留者達を見つけ、インタビューに漕ぎつけたもんだ」その感動の渦が第2弾を作らせたんだろうか、そこに「希望」を視つけた。
(エゾヤマザクラの冬芽の上には碧すぎる寒気の空が)
※2年程して再び「ラーゲリから来た男Ⅱ」のお誘いがあった。今度の上映場所は大ホール。2弾目はちゃんとした制作スタッフが就いてた。映像も音声も美しかった。構成は第1弾同様だったが、ラーゲリの地図や運搬ルート、いろいろな解説も入っていた。
(微かでいいから、ヌクヌク生きてることに罪悪感を感じてよ~)
※80年後、ウクライナ戦争でもロシア残虐さは同じようだ。ウクライナ人をシベリアやサハリン、北方四島に搬送してると聞く。そのタイミングで「ラーゲリ―より愛を込めて」は上映を開始した。人類の残虐性・・・3本目の「ラーゲリ―」も絶対観るぞっ!