【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 「天恵」「天刑」

世界三大夕陽というのがある。バリ、マニラ、そして何と釧路だ。
ジブラルダル、マニラ湾、マラッカ海峡という説もあるが、何れにせよ、夕陽が美しい都市ということになるのだろう。
そもそもこの世界三大夕陽を決めたのは誰か?どうやら、世界を股にかける船乗り達の評価、というのが通説のようだ。
釧路住人としては、夕陽の名所としての評価を素直に喜びたい。郷土愛の原点は、居住地域を誇ったり、愛することから始まるからだ。釧路はまさに天の恵み、「天恵」を与えられたのである。
確かに釧路の夕陽はスゴイ。ともかくデカイ。しかも多彩な色合いの中に潤いがある。幣舞橋あたりの夕陽は、壮絶といっていいほどだ。だが、いまだに写真に納められずにいる。
代わりにと言っては何だが、かすかな夕焼け空に舞う夥しい飛翔体を納めた。カラス軍団である。
軍団は一年のうち何回か、基地を変える。暫く遠隔地に遠征してたのが撤退して裏山の基地に戻ってきたようだ。茜色の空に無数といっていいほどの黒い翳が飛ぶ。
なぜ戻ってきたのか?果たしてリーダーは誰なのか?参謀本部の戦略は何なのか?もしかしたらそんなものは無いのかもしれない。ともかく種の増殖としては異常、癌のようなものといっていい。

なぜこんなに 増殖したのか?これは人間の生活圏の拡大に対する天の警告、「天警」、もしくは、天の刑罰、「天刑」なのかもしれない。
世界三大夕陽の名所は、一方ではカラスの異常増殖基地だ。見方によってはキレイかも知れないが、見方によっては恐ろしくもある。まさにヒッチコックの「鳥」の1シーンだ。
「天恵」と「天刑」を同時に与えられたのかもしれない。
考えてみれば、我々の周辺にはそうした混沌や矛盾が山のように存在してる。
「もしかしたら、生活するということは、混沌や矛盾とどう付き合っていくかを毎日体験していくことなのかもしれない」。そんな思いがカラスの飛翔曲線を追いかける。
それにしても、日常の中に、いろんなものが転がってるなぁ。