※・母待つや寒の夕日を眺めつつ 小島椰子この句が冬の夕焼けの美しさを詠んだことは言うまでもない。これから沈まんとする夕日を見ながら、母の帰りを心待ちにしてる。母が帰ってきた後には、心温まる豊穣な夜が待っている…。
※が、実は「夕焼け」は夏の季語である。南国の海岸に打ち寄せる波…。そんなロマンチックな風景が季語のイメージの根幹にある。ただ、夕陽は夏だけの現象じゃない。
(釧路港・幣舞橋の夕陽に比べるべくもないが、それでも感動的な美しさだ)
※四季を通じて「夕焼け」の美しさを詠みたい俳人たちは工夫した。例えば「梅雨夕焼け」などのように「夕焼け」に四季を入れることによって、その季節だけの夕焼けの感動を詠み始めたのである。
※夕日に感動するのは俳人ばかりじゃない!船乗りだって感動する。外国航路の船乗り達は、半世紀前の1965年頃、戦後復興を果たした釧路港の夕陽がとてつもなく美しいのに気が付いた。
(夕方のニュースで、釧路から上下ふたつの太陽の写真投稿があった。水蒸気のせいらしい)
※そこで、彼らは釧路の夕陽を「マニラ」「バリ」と合わせて「世界三大夕陽」と言い始めた。世界の港を転々と巡る彼らの目は確かだった。釧路港は「世界三大夕陽」のひとつとして定着したのである。
※夕陽は、古代エジプト人をはじめとする太陽信仰のシンボルとして重要な役割を果たしてる。日本の天照大神信仰にも関わりがあると言っていいだろう。夕日は、実は再生のシンボルなのである。
★1日わずか数分の夕陽の奇跡を眺めてたら、NHK朝ドラ「あさがきた」のタイトルバック曲歌詞♪やりたいこと できない日は あしたがんばろ〜♪が、耳の奥から聞こえてきた。野党の諸君、SEAL'sの諸君、日本の再生目指して、がんばろ〜っ!
★釧路の夕陽は9月上旬〜11月下旬が最も美しいと言う。だが、春に向かっていく今だって息を呑むほどに美しいッ!まさに吉行淳之介の「砂の上の植物群」の書き出しの“紅蓮の炎”が燃えてる!