【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

  大道芸人「ミルク」!


※時々、天は人間にとてつもない元気を与えてくれることがある。釧路動物園のホッキョクグマ「ミルク」がそれだ。ただ、天がこの貴重な贈り物を釧路地方に与えてくれるまでには結構時間がかかった。
※話は10年前に遡る。絶滅危惧種に指定されてるホッキョクグマは、動物園での繁殖が重要な役割を果たしており、動物園間の“婚活”が盛んである。釧路動物園でも2005年、帯広動物園から繁殖活動の一環として雄のホッキョクグマを迎えた。

※釧路動物園には当時10歳の雌ホッキョクグマクルミ」がおり、婿さん候補として迎え入れたのである。名は「ツヨシ」とつけられた。ところが2008年にトンデモナイことが判明する。「ツヨシ」は何と「クルミ」と同じ雌だったのである。
※そこで「ホッキョクグマ繁殖プロジェクト共同声明」によって、2011年「クルミ」は「男鹿水族館GAO」の雄グマ豪太に嫁入り(貸与)。そしてめでたく子供ができた。子供は「クルミ」を逆さ読みして「ミルク」と名付けられた。

※去年1月、母親の故郷、釧路動物園に移住した「ミルク」は一躍人気者になる。いろいろな大道芸を披露し始めたのである。そのパフォーマンスは「パイプ抱え立ち歩き」「パイプ投げ」「ボール投げ」「ボール水上転がし」「ボールスープレックスダイブ」…

※いやもう多彩なんである。最高パフォーマンスは、何と言っても「太パイプ被り」。太パイプの中に頭を突っ込んで泳いだり、歩いたり…。それもちゃんと観客の反応を伺いながら披露してるのである。パイプを被る前には観客目線になっている。

※動物園ガイド氏は言う。「子どもの歓声が聞こえると物凄くいろいろな芸を見せますね。意識してますっ!」今や全国区になった「ミルク」。ネット上では「絶対に中に人が入ってる」「着ぐるみ」などの書き込みだらけ。いやぁ、いつまで見ていても飽きない。天に感謝だ!

★「ミルク」、現在2歳2か月、180キログラム。あまりの「ミルク」人気に、「ツヨシ」はチョッと影が薄くなっちゃった。ただ、「ツヨシ」も午後は「ミルク」に変わって運動場に出て、のんびり昼寝などしてる。かなり熟女になった気がする。