【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 酪農体験ツアー

以前もアップロードしたが、釧路空港には動物園がある。と言ってもホンモノの動物がいるわけじゃない。
この地域に生息するヒグマ、タンチョウ、シマフクロウエゾシカなどの動物像達が、空港前の庭に点在し、「Well Come!」と観光客を出迎えるのだ。

その「釧路空港動物園」に最近、農場が開園した。乳牛の親子像が付け加えられたのである。担当者が知恵を絞って釧路周辺のPR効果を演出したのだろう。
だが待てよ、同じ動物とは言え野性動物たちと家畜を同居させるのはどこかムリがありゃしないか。険しい山中で、真っ赤な口紅と極細のハイヒール、フレアスカートを履いた女に出会ったような違和感がある。
なぜここに、乳牛なのか?多分そこには担当者達の切ない思惑があるに違いない。

このところ北海道は観光客の減少に喘いでる。知床の「世界自然遺産」効果も色褪せてきたらしい。航空会社はJAL全日空もHACも経営に火がつき、路線廃止や減便が真剣に検討されている。
「観光客にアピールできる、何か新しいものはないか」
そういえば、「エコツアー」「農業体験ツアー」「グリーンツアー」などに関心が高まってるらしい。
「ここはひとつ酪農大国道東をアピールしようじゃないか、道東の新しい観光と食材をPRしようじゃないか」
3泊4日ぐらいの滞在型ツアーを企画する。阿寒湖や摩周湖屈斜路湖など従来の観光地には行かない。ひたすら農業と酪農を体験するのだ。
到着1日目にはまず、搾乳体験。自ら絞った牛乳をゴクゴク飲んでもらう。
二日目はチーズづくりだ。手づくりのチーズはお持ち帰りいただく。自宅へ発送も可だ。昼は牧場脇でバーベキュー、ジンギスカンもいいかも。
三日目は朝から馬牧場へ。乗馬体験と馬と仲良くなる“ホースセラピー”体験。挽馬とも触れ合い体験をしてもらう。そうだ、牧草刈りも体験してもらわねば。四日目の午前中は鹿牧場でも見に行くか。
時期はやはり夏場だろう。宿泊先も確保せんといかんなぁ。でもこれが広まれば道東はきっとかわるぞぅ。
担当者がそんなことを考えたかどうかは分らない。
でも従来型の展示ではどうにもならないことに危機感を持ってるに違いない。
旭川旭山動物園が動物の生態を知ってもらおうと努力した結果、年間270万人もの観光客を集めてる現実だってあるのだ。酪農体験ツアーはいいかもしれない。