【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 北海道産ブランド米!

意外なことだが、都道府県別の米収穫量NO.1は、北海道である。新潟でもない、宮城でもない。
ところが、「へえ〜、北海道で米がねぇ!」と驚く人が多い。何を隠そう、自分も北海道が収穫量NO.1と聞いて驚いたひとりである。昔は阿寒でも湿原でも作られてたらしい。

全国的に味噌、醤油、煎餅、和菓子などに大活躍してるのだが、牧場や酪農、野菜、魚業などが盛んだから、北海道には、米どころとしてのイメージはない。
だが最近、そんな認識をガラリと変える出来事が起こり始めている。
「ゆめぴりか」という米の名前をご存知だろうか?「おぼろづき」「ななつぼし」「ほしのゆめ」「きらら397」は?
ご存じないのは当たり前だ。いずれもまだまだ知名度は低い。しかも地産地消型の商品だ。
しかし、このうちいくつかは、08年度日本穀物検定協会の食味ランキングで、魚沼産「コシヒカリ」の評価を超えた。
『道産米「おぼろづき」は「コシヒカリ」より美味いよ』という人がいた。『騙されたと思って食べてご覧』。物は試しだ、買って炊いてみた。
「美味い!」、第一ご飯のテカリがいい。ツヤツヤしてる、しかも甘くてネバリがある。米が“起立”してるのである。
よく、美味い米はそれだけでご飯が食べられると言われるが、まさにそれだった。
地産地消にも貢献したい」。郷土愛という思いもあって、この時から道産米に切り替えた。
同じような思いの人は多いらしい。今年の秋デビューした「ゆめぴりか」は、大変な人気を博した。
低いほど旨みが増すと言われるタンパク質含有率を6.8%以下に抑えた最高級品種 ― 「ホクレン農業組合連合会」が鳴り物入りで市場に出した新品種である。
待ち望んでる人は多かった。店頭に並べて20分で売切れた店もあったという。
残念ながら、今年は冷夏の影響で独自基準に合う米は800トンしか出荷されなかった。
「おぼろづきだって限定販売だ、これじゃ来年までは手には入らんだろう」。ところが市販数日後、幸運にも地元の小さなスーパーで見つけたのである。
翌朝は至福にしばし浸った。ツヤにしても、“起立”にしても、甘さ、ネバリにしても別次元、まさに米の中の米、いや、こんな美味い米は食べたことがない。「よくぞ日本に生まれける!よくぞ北海道に移りける」
しっかり噛んでモチモチ感を口の粘膜に沁みこませるうちに、東京の友人達にも味わわせてやりたい。
もう少し生産量が増えれば中国へ輸出、富裕層が涙モノで喜ぶだろう。そんな取らぬ狸も浮かんでくる。
あと2kg一袋はもう少しとっておこう。
・・・ここまで来ればブランド米として大きなステップを踏み出したといっていい。
「北海道は日本一の米どころです」道民も自信を持ってそう言えそうだ。
「けどなぁ、パッケージがなぁ・・・」。皆さん、どう思います?