【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 多民族国家、オリンピック開会式!

それにしても素晴らしい開会式だった。カナダはいつもアメリカの陰に隠れてしまってるから、余計にそう思えたのかも知れぬ。
バンクーバー・オリンピック、史上初めて屋内で開催された開会式は、実に情感豊かなものだった。

極寒の地で、一万年も前から生きてきた先住民族。開会式はそのカナダの根源的な歴史を表現することから始まった。

そして、彼ら先住民、それにいまを取り巻く、厳しくも豊かな自然環境・・・オーロラや、深い森、グリズリーやサケ、透明な氷などを、しっとりした映像と立体的なマスゲームで描いた。
北京やアメリカのメタリック・コンクリートとは一味違った、幻想的で荘厳、壮麗な式典だった。
人類の来し方、行く末に思いを馳せた選手や役員、観客も多かったことだろう。森と湖、そして「人種のモザイク」と言われる多数の先住民族が暮らすカナダならではの開会式だった。

これから17日間、82の国が参加して熱い戦いが繰り広げられる。
それは不肖ワタクシにとっては、自然、人間、社会、国家、北海道、地域など、いろいろなことを考えさせられる時間となるやも知れぬ。
いや、もしかしたら競技を追いかけるあまり、思考停止、脳死状態で終るのかも知れぬ。
何れにせよ、この17日間は、時の流れのまま、川の流れのまま、冬のスポーツの祭典に浸る積りだ。