【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

花のダイヤ「ダリア」!

吉行淳之介の「砂の上の植物群」で表現された、官能的な文章を随分鮮明に記憶してる。
その記憶のひとつに、名前は思い出せないのだが、ある花の種の袋に書かれてた宣伝コピーがある。コピーはこうだった。―――「艶麗なダリアも一歩を譲る風情です」
今から考えればなんてことはないコピーだが、何故だか妙に気に入った。

(皇帝ダリアと思ってたが、どうやらショー咲きと言うタイプのダリアらしい)
およそ40年も覚えてるんだから、よっぽど刺激的だったんだろう。もしくは、コピーライターを目指してた頃だったせいかもしれない
ダリアの花言葉は「華麗」「優雅」「威厳」「移り気」「不安定」「感謝」「栄華」などである。
確かに花言葉のように威風堂々、貫禄に溢れている。清の西太后、斯くありなんという存在感がある。
1842年(天保13年)、日本に渡来した際、当時の人たちが「天竺牡丹」と和名を付けたのもさもありなん!何しろダリヤは花のダイヤと言っても過言じゃない。
18世紀に原産地メキシコからスペインへ渡り、さらに各地に渡る途中で実にさまざまな品種が生み出されたようだ。アメリカ・ダリア・ソサエティでは、花容によって16に分類しているという。
百科事典にはその種類は、1955年には3万種を超えたとあった。現在はどのぐらいになってるだろう?とんでもない多様性を確保してるに違いない。

(コチラが皇帝ダリアのようだ。なんだか家来みたいな気もするが・・・)
上下二枚の写真を同じダリアと認識する人は、そんなに多くないだろう。だが、これは両方とも紛れのないダリアだ。正真正銘[キク科 ダリア属 多年生草本]の花である。
そういった意味で、吉行淳之介が「艶麗なダリア」と書いた時、一体どんなダリアをイメージしたのだろうか、脳の中を見てみたい気がする。
多分、上の写真のようなダリアだと思うけど、淳之介さん、まさか下の写真のようなダリヤじゃないですよね。
それにしても「ダリアも一歩を譲る風情」の花は、何の花だったのかしら・・・残念ながらまったく思い出せない!
★書き込みをドラッグすると白抜き文字がスミになり読みやすくなります。