【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

アナログ絶滅!

栄枯盛衰は世の中の常と言うが、ついに絶滅種がまたひとつ誕生した。
後世に「この半世紀の中でもっとも大きな影響力を持つ絶滅種」と歴史に残るかもしれない。その絶滅種とは、テレビ放送アナログ地上波のこと。
1953年2月1日に産声を上げたテレビ放送は、日本国民にとっては「情報・スポーツ・娯楽・教養・芸能」を目の前に並べてくれる生き物であったような気がする。
自分にとっては、この5年間喜怒哀楽を共にしてきた桜の幼木と似てる。
日本国民はテレビという生き物と共に、さまざまな分野で成長し続けてきたと言っても過言じゃないだろう。もっとも退化という人もいるかもしれない。

(今年も7月から紅葉を始めた桜。進歩か?退歩か?)
何れにせよ、アナログ方式のテレビ放送地上波は、この7月24日正午をもって、生涯を終了した。約59年の人生を閉じたのである。
地上波デジタル網完成の是非は別問題として、それは負の遺産も残した。難視聴地域という問題である。
北海道小樽市銭函1の6世帯は、まったくテレビが映らなくなった。背後にある断崖の関係でどうしても映らない。技術的にも解決の方法が見当たらないらしい。「地震津波の情報から取り残される」と住民は不安を隠さない。

(膏薬病らしい。枝の根元を白い吹出物が一巡したら治す技術はないという)
実は、ウチでもアナログ放送時代は難視聴地域だった。BS以外のアナログ波はゴーストや細切れ受信に悩まされた。地域情報を殆ど把握しないで生活するということは、まさに半盲状態に近い。
2011年5月現在、北海道の難視聴世帯は4289戸という。テレビをお茶の間の友として、人生の友として暮らしてきた4289戸の人々、及び高齢者は手足をもがれた気分だろう。
社会と隔絶して生きていくことは出来ない時代である以上、関係者各位に何とか救済の道を模索していただきたい・・・なんて、柄にもないことを考えてる。
★書き込みをドラッグすると、白抜き文字がスミに変わり読みやすくなります。