【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

キノコの教え

※10月8日、道新の朝刊コラム「卓上四季」に含蓄深い文章が載っていた。その一部を紹介してみたい。

『▼満天の星空を背景に、森で息づく妖しい緑光。日曜日の本紙朝刊1面に、後志管内黒松内町のブナ林で撮影された「ツキヨタケ」」の写真が載った。(中略)
▼歳時記の「秋」の項に、俳人飯田龍太のこんな句があった。<月夜茸山の寝息の思はるる>。深まりゆく秋の夜長。山や森の生きとし生けるものたちは、どんな夢を見ているのだろう。
▼素人考えで、キノコなど菌類は「われわれ動物よりも劣るもの」という偏見を持っていたが、そうではないらしい。6億年前の先カンブリア時代から地球の先住者として暮らし、生態系を支えてきた。
▼動物も菌類も植物のように自分で自分を養うことはできない。が、「弱肉強食」の原理を生きる動物とは異なり、キノコは植物と生き残る「共生」の道を歩む。
▼菌類学者小川眞さんは「キノコの教え」(岩波新書)で<それはたやすい生き方ではない>と書く。相手を対等と認められるか、「優越感と劣等感」「嫉妬と羨望」を乗り越え、折り合えるか―。森のキノコたちは、人の世のあり方も問うているのかもしれない。
▼きょうは「寒露」。ツキヨタケのかさにも露の結ぶころ。さえざえとした気に頭を冷やし、森のささやき、吐息に耳を澄ます』。

※いやぁ自然に学ぶことは多い。たやすい生き方ではないが「共生」の道を選ぶ…。アメリカ共和党議員に読ませたいコラムだ。耳を澄ましてごらん!ホラッ、広大な“新大陸”の大地に「民の呻き」が響いてる…。

★写真はササクレトヨタケ。食(ただし、幼菌のみ)。和洋ともに合うという。名前通り一夜で液化する。