【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

神のおわす処!

※“蝦夷梅雨”の晴れ間、7か月ぶりに摩周湖へ。♪霧の摩周湖♪で一躍全国区になった摩周湖には、「1年中湖面が見えない」という霧伝説があるが、そうでもない。晴れの日も結構多いし、少し待てば霧の晴れ間だってある。ただ、やはり神秘性は類を見ない!

(手前に浮かんでる島がカムイシュ。14:00頃、この日は霧がまったくなかった)
※湖の中にぽっかりと浮かんだ島、周囲を取り囲む噴火口跡の断崖絶壁、そしてそれらをすべて覆ってしまう深〜い霧…。アイヌは島を「カムイシュ」、外輪山摩周岳の断崖絶壁の火口を「カムイヌプリ」と呼んだ。カムイとはアイヌ語で神の意味。この光景に神を見たのである。

(噴火口と断崖、カムイヌプリ。崩壊跡が気になる。長雨で崩れたのだろうか?)
※現代人だって、この光景に神の存在を感じる人も多い。もし、熊野古道のように平安時代にその存在を知られていたら、間違いなく修験道の修行の場になってただろう。周辺にはアトサヌプリ(裸の山)[日本語名=硫黄山]と呼ばれる活火山が蒸気を吹きだしてもいる。

(硫黄成分を大量に含んだ噴気はどんどん右奥へと移動してる。やはり無常なのである)
アメリカ・インディアンは、アイヌ同様この世に存在するすべてのものに神が宿ると考えた。自然と共生することだけを考えた。が、バイキングの末裔たちは、共生じゃなく収奪することを考えた。で、結果はどうなったか?いまに繋がってることになる。

(巨大な硫黄の塊。かつてはこうした塊を汽車で釧路に運んでいた)
摩周湖から険しい峠越えの国道241号線を阿寒湖へ。ここにもまた、神秘以外の言葉で語れない二つの湖が見下ろせる。アイヌたちはこの二つの湖を「ペンケトー」(上の湖)「パンケトー」(下の湖)と呼んだ。トーとは湖のこと。何と正直な呼び方だ。

(手前がペンケトー、奥にパンケトーがかすかに臨める。原生林も大分背丈が高くなってきたようだ)
※科学技術はカムイを理論に換えた。カムイは理論に追放された。では、今後神になるのは何なのか?SF大作「2001年宇宙の旅」の原作者、アーサー・C・クラークの「地球幼年期の終わり」を読み返したくなった。実は、そこには全知全能の神が存在する…。

★明日から本州へ10日ほど出張します。暫くブログアップロードはお休みします。七夕の週から再開する予定なので、ご愛読よろしくお願いいたします。