【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

「分断」

※・秋田蕗持ち来る人の顔見えず (詠み人知らず)

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(葉の直系1.2m)

 

この句は秋田蕗の大きさを詠んだいい句だと思う。秋田蕗は、秋田に自生したもので、葉の大きいものでは直径1.5mにもなる。北海道に自生するのは基本的に秋田蕗だ。

 

※が、秋田蕗の世界も単純じゃない。はっきり二種類に分かれる。茎が緑のものは「青ブキ」。赤いのが「赤ブキ」。大きさや太さは同じだが、味、柔らかさが違う。「赤ブキ」は筋っぽく、苦み、えぐみがある。だから人々は挙って「青ブキ」を狙う。

 

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 (フキの原。「フキワラ」と呼ぶ。一番手前に青ブキが。青ブキの群落)

 

※なぜ、同じ種類なのにここまではっきり分かれるのか。秋田蕗に問い質しても「ワシらにゃ分らん」だろう。原因は遺伝子かもしれない。だが、人間の分断は、はっきりしてる。人種的、歴史的、経済的格差等が原因だ。全部人間が自身で作りだしたものだ。

 

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 (青ブキ。やわらかくて美味しい)

 

※ここ50年で最悪の格差・分断が顕在化してる。発端がトランプや習近平プーチン、ボルソナロなど、国をリードする立場にある政治家達の資質に問題があることは明らかだ。モチロンシンゾーも。ポストコロナ時代も変わらないのであればフキにも劣る。

 

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 (赤ブキ。虫がつきやすい、という人もいる)

 

※フキの名誉のために言っておけば、フキの分断は、群落の中での混在もあるし、今年「青ブキ」だった群落が、翌年、そっくり「赤ブキ」に変身してることだってある。そういう意味じゃ「フキの分断」は、人間の分断よりもはるかに性質がいい。

 

 

★隣町の足寄町螺湾(ラワン)川に沿って自生する秋田蕗はことに大型で、背丈は3m、茎の太さは10cmに達する。かつては高さ4mに及ぶものもあり、馬に乗ったまま下をくぐることもできたという。食用として柔らかく、かなりの高級食材。足が速いため、地元を中心に食べられている。