【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 今年最後の“イクラ丼” 

♪ピンポーン♪玄関のチャイムが鳴った。出てみるとガソリンスタンドの従業員。当家の石油タンクのチェックに来てくれたのだ。「灯油値下がりしました。入れときましょか、11月1日にはもっと下がりそうですが…」と言う。
タンクの半分以下になっていたので、満タンを御願いする。それにしても随分と値下がりした。一時はℓ当たり130円を超えていたのに、今は100円割れ寸前まで下がった。この値上がりを演出したA級戦犯は、投機マネー。腹立たしい限りだが、冬場に向けての値下がりは嬉しい。
ところが、である。今度は北海道名産の鮭が獲れないと言う。何でも例年の3割減と漁師は言う。「油が下がってきたら、今度は魚が獲れない!ダブルパンチだ」。そう、いまや赤いダイヤ“イクラ”は、またまた高級食品となりつつあるのである。
そこでだ。冷凍で溜め込んでたイクラの醤油漬け、最後の1パックを「今年最後の楽しみだね」と、丼にして食べることにした。何やらミニ食糧危機の感もあり、侘しさもある。が、冷凍で溜め込んでいた自家製のものを食えるのは、産地に暮らす者ならではの特権である。
流石に「美味い!」。始めて北海道でイクラ丼を食べた時のことを思い出した。「そうだったなあ、丼には真っ赤なイクラが山盛りだった。ご飯が見えなかった。こんな贅沢があるのかと思ったっけ」。それがこの30年当たり前になっていた。だが、今年の冬はできそうもない。ささやかな楽しみを奪うコチラのA級戦犯は誰か?気候変動か、温暖化か?
まあ、ミニ食糧危機と言うほどじゃないとしても、今年の原油超高騰みたいなことがありうる。いやはや、どうにも手に届かないところでいろいろなモノゴトが動いてて、コチトラ、右往左往、切歯扼腕するばかりである。