釧路市の動物園関係者のみならず、若い親達も複雑な思いに囚われてる。というのも動物園が繁殖を目指して同居させてた人気者のホッキョクグマが、DNA鑑定と触診の結果、両方ともメスと判明したからだ。
釧路市動物園は、日本で唯一「シマフクロウ」の飼育や希少種「クマタカ」の繁殖の成功、さらにはアムールトラの双子、「タイガ」「ココア」の人工飼育など、道東最大の動物園で、市民の憩いの場と同時にまた、誇りの場、でもある。
旭川の旭山動物園に負けてらんない!のである。
だが、先月、道内唯一のアフリカゾウ「ナナ」が33歳で永眠し、市民は誇りをひとつ失った。それじゃ、とばかり、保護の必要性があるホッキョクグマの繁殖に関心が高まっていた。
来園した親達は、「来年には、赤ちゃんが生まれそうだからね、生まれたらまた来ようね」と子供達に話しかけていたと言う。
ところがオスだったはず!の「ツヨシ」(名前は元日ハム野球選手、新庄剛からとった)が、先住の「クルミ」(メス)との生殖行動をとらないことから鑑定を依頼した結果、メスと判明したというわけだ。若い親達は、子供への説明をどうしようかと、悩んでると言う。
どうやら、譲り受けた札幌の「丸山動物園」が、周囲の期待応えようと判定を少し急ぎすぎたのが、原因らしい。それでも「ツヨシ」プロジェクトのメンバーは、「お前が女だからって、関係ないからね!ツヨシの名前だって変えないからね」と、愛情を注いでいる。そして市民も大方同じような気持らしい。
このニュースが流れると、「お婿さん候補」が続々と舞い込んできた、と動物園では言う。もしかしたら、この暗いご時勢、一筋の明るいニュースになったのかもしれない。そんなことを思いつつ園内を散策する。
ヒグマ舎では巨大なヒグマが餌をねだってた。それにしてもデカイ!コチラは、ホッキョクグマと違って増えていると言う。
こんなデカイ奴と接近して住んでるのかあ。山で出合ったらまず殺られるなぁ。