【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 ヤマメDNA!

今年は暑かったせいか、ヤマメがまだ海に降ってはいない。だから小さいのが数多く釣れる。やはり彼らも気候の影響をモロに受けてるのだろうか。

(※標津サーモンパークの水槽内のヤマメ、パーマークが薄い)
ヤマメとサクラマスの関係は実に面白い。母川で孵化したヤマメの幼魚は、流れの緩やかな場所で群れて育つ。
だが、遺伝子の妙か、それとも環境か、やがて個体差が生じてくる。大きいのはガキ大将となって餌を独占し、小さいモノは子分となり、端に追いやられる。
やがて子分どもはガキ大将の元にはいられなくなり、故郷を追われる如くに海に降って、放浪の旅に出る。
海を回遊すること1年、功成り名を遂げたヤマメは、何と30〜70cmにも成長したサクラマスとなって母川に凱旋する。
一方、川に残ったかつてのガキ大将ヤマメ(川に居残るものはヤマメと呼ぶ、ヤモメが語源という説もある)は、せいぜい20cmにしかなってない!立場は完全に逆転、出世魚じゃないのである。

(※去年見かけたサクラマス遡上、今年はまだ見てない)
ところが、この後も逆転劇は続く。ガキ大将はサクラマスの産卵活動にも平気で参加する。しかもサクラマスが一度限りの産卵活動で一生を終わるのに対し、ヤマメは3,4回でも生き残る。
苛められっ子が放浪の旅の末、釣り人憧れの出世魚となって故郷に錦を飾る。だが生殖活動は一生に1回限り・・・のサクラマス
一方、子供の時からがたいがでかく、地元に残って、わがまま一杯過ごす。広い世の中を見聞できはしないけど、子孫を残すチャンスには何度も恵まれるヤマメ・・・。DNAが殆ど同じなのに、何と違う人生だぁ!
さて、あなたはどちらの人生がいいですか?不肖ワタクシは勿論、ヤ・マ・メ・・・。