【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

タンチョウな生活!


▼タンチョウは奇跡の鳥である。絶滅寸前の38羽から1000羽を超えるまでに蘇った。絶滅を免れたのは、地域住民や国の手厚い保護活動のお陰だと言っても過言じゃない。めでたいことに今年は還暦(特別天然物記念指定60周年)を迎えたのである。
▼そのタンチョウに、今年異変があるという。一本足で立つ凍て鶴が増えてるというのである。中には雪の上に座り込んでしまう者もいるという。すわッ、遺伝子異常か?

▼早速、実態を確かめにクルマで5分の給餌場「国際ツルセンター」に急行。う〜む、いる!いる!座り込んでる者はいなかったが、一本足で立ってる凍て鶴はやたらに多い。今までこんなに多い凍て鶴を見たことはなかった。

(時々、ためらいながら立ってる足を変える。雪の上に下ろす足は猫が水を触る時のように、恐る恐るである)
▼若い学芸員は言う。「タンチョウのイチバン弱いところは足なんですよ。足には毛が生えていない。だから体温の低下を防ぐために、一本足で立つんです。それが今年は異常に多い!」

(まるで赤いベレー帽を被ってるようだ。片足で立ってても頭が揺れることはない)
▼異変は飛び方にもあると言う。“タンチョウ追っかけカメラマン”は、「いつもは足を延ばして優雅に飛ぶタンチョウが、足を畳んで飛んでる」と言う。「足引っ込めちゃうと、絵にならない!」

▼原因はどうやら、今年の異常な寒さのせいのようだった。遺伝子異常じゃなく、異常寒波がタンチョウの行動に異変をもたらしたらしい。タンチョウだって寒いんだ!関係者も原因が分ってホッとしてることだろう。

(オートフォーカスじゃないレンズで追い掛けてるのでピンが甘い!距離も遠い!あ〜あ折角なのに…)
▼給餌が始まった。餌を狙って天然記念物のオジロワシもいつの間にか上空に現れた。「特別天然記念物vs天念記念物」の野性のバトル!タンチョウは決して単調な生活を送ってるワケじゃない。寒さ、餌…生きるのに必死なんである。