【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

続・タンチョウAGAIN!

12月5日、「タンチョウ給餌60周年感謝祭」イベントが始まる直前、肩をたたかれた。
振り返るとセイさんが空を指してる。「オオワシが来てる!」
オジロワシは何度か写真に収めたことがあるが、オオワシは肉眼で見るのも初めてだ。慌てて上空に向けてシャッターを切った。

が、残念なことに、掲載した写真は自分が撮ったものじゃない。鳥を撮るプロのミユキちゃんが提供してくれたものだ。さすがにミユキちゃん、バズーカ砲みたいな巨大レンズを使いこなしてる。
それにしてもなぜ、鳥類の食物連鎖の頂点にいるオオワシが、2m50cmもの翼を広げて、悠々と阿寒の空を舞ってるのか?オオワシは越冬のため知床などに飛来する絶滅危惧種だ。しかも典型的な海ワシだ。なぜ阿寒の空を?
思い至った理由は「タンチョウの人工給餌」だった。
現在、「阿寒国債ツルセンター」では塘絽湖から運ぶ10kgほどのウグイを毎日給餌してる。そのウグイを狙って来るのはタンチョウだけじゃない。特別天然記念物オジロワシは、タンチョウ給餌用のウグイを掠め取って行くし、トビもカラスもスズメも来る。
キタキツネやシカだっておこぼれを目当てにやってくる。そして最後にオオワシが登場する、というわけだ。

考えてみれば故山崎定次郎氏が始めた世界初と言われる「タンチョウ人工給餌」は、タンチョウのいのちだけじゃなく、他の生物達のいのちも支えてきたと言っていい。
生物のいのちは、全てがつながってる。改めてそう実感した。そして、人間が一度手を入れたことは、ずっと手を入れ続けていかねばならぬことも学んだ。
マリモ、タンチョウ特別天然記念物指定60周年まであと2年。いろいろなイベントや企画が考えられる。観光や、町おこしに今までのキャリアを活かせるやりがいのある仕事が出てきた。ありがたい話だ。
※今回の写真は全てミユキちゃんが提供してくれました。ミユキちゃんありがとう。