【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

「牧場deアート」…


※写真のような光景を初めて見た時は「?、?、?、」だった。『田んぼdeアート』は、テレビでよく見た光景だったが、これは一体っ?「現代美術家による『牧場deアート』かもしれぬ!」後で話を聞くと「なぁ〜んだ」なんだが、皆さんはご存知でしたか?
※この、牧場にゴロゴロ転がってるUFOみたいな謎の物体の中身は、実は牧草。西部劇や教科書で、牧草はタワー型サイロの中で保管されてるとばかり思ってたので、まさかこれが牧草現代的貯蔵法とは思わなかった。

(ラップの色は黒、白、緑など。白はまさに現代美術だ)
※正式名は「ロールベールラップサイロ」。採草地で刈り取った牧草を専用大型トラクターで太鼓状に牧草ロールとして丸め、幅広のポリエチレンで巻き上げて出来上がる。このラップの中で嫌気性の細菌が発酵して良質なサイレージ(発酵させた飼料)が出来上がると言うわけだ。
※最近、土地の広い北海道ではこの省力化テクノロジーが主流だが、実は思いもしなかった事態が農家を悩ませてもいるらしい。悩みの種はヒグマだ!新世代ヒグマがこの牧草ロールを転がして遊ぶ光景が度々見られたり、痕跡が発見されるようになったそうだ。

(まるでバウムクーヘンのようだ。これ1個で約500キロ。ヒグマが味を占めて頻繁にやってくるのも分るような気がする)
※最初のうちは農家も理由がわからず「?、?、?」だったらしいが実は、ヒグマが好奇心でポリエチレンを齧ってるうちにサイレージが食用となることを学習したんだとか。電気柵などを設置しなけりゃ、と頭を抱えてる農家もいるそうだ。

※人間が新しいテクノロジーを手に入れると野生動物だって負けちゃいない。ことにヒグマは学習能力が高い。新しい文化だって平気で獲得しちゃうのだ。
最近ヒグマが頻繁に街中に出没するのはそのせいかもしれない。やれやれ『牧場deアート』どころじゃない!雪まで1か月半。人類の共存も難しいが、野生動物との共生はもっと難しい…。