【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

「収穫」

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男爵芋はユリやその他の草木と同じ場所で育った)

 

※もう35年以上前になるだろうか、一篇の短編小説がハヤカワSF新人賞を獲った。作者は「半村良」。後に「妖星伝」など、一世を風靡することになった小説家である。1933年生まれ。彼はこれがデビュー作となった。小説家としては遅いデビューだ。

 

 

※新人賞作品のタイトルは「収穫」。主人公の「オレ」は、ある日町のあちらこちらから、大勢の人が同じ方向に向かって歩いて行くことに気づく。男も女も老いも若きも、ともかく皆が同じ方向を目指して歩き始めるのだ。「オレ」は後を付けることにした。

 

 

※途中、ふと「オレ」は気づいた。皆が目指すのは東京湾じゃないか?「オレ」は東京湾に何があるのか、訝しがりながらも皆について行く。すると・・・・巨大な艦船の乗降口に全ての人々が吸い込まれて行く。「何だ、何が起こってるんだ⁉」

 

 

※「オレ」は声も出ない。息を呑みこんでるうちに、巨大な艦船は乗降口を閉じて空中へと浮き上がり、見る見る宇宙の彼方へと消えていった。その時「オレ」は気づいた。「人間は宇宙人が栽培の為に蒔いた種だったんだ。その種を「収穫」しに来たんだ!」

(★読んだのが35年ほど前なので細部の記憶は曖昧ですが、大体そんな概要でした)

 

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※ウチでも10年ぶりの「収穫」があった。叢とも藪ともつかぬ庭から、なんと男爵芋が大小100個ほども掘りだされた。周囲からは「こんなに葉っぱをでかくしちゃったら、もうダメだべさ!」と嘲り笑われてた男爵芋が、100個ほどもっ!「大収穫」だ。

 

半村良は「収穫」で小説家デビューしたが、同居人も「男爵芋収穫」で、再デビューした。半村良はその後構想を広げ過ぎて、纏まりが付かない作品群で四苦八苦したが、さて、同居人は今後どうなるんだろう。

 

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(早速小さなものをまるごとフライドポテトにして塩を振った。新鮮でウマかった)

 

※そう言えば、シンゾーも「美しい日本を取り戻す」でデビューし、すぐに頓挫!その後「三本の矢」で再デビューしたが、構想が支離滅裂で言葉ばかりが独り歩きし、死滅してる。当人は嘘も言い換えも平気だが、「収穫」はなく、国民は四苦八苦している。