【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

鹿、獲るしかないか?

在京してる時と違って、阿寒では日曜日が忙しい。
先週も土曜夕方義弟から電話があって、
「明日、鹿獲りに行くかい?」。
で、当然の如くに鹿獲りに同行することになった。
朝5:00出発。マタギのチーさんの家へ、近くの山へ。
「メスも獲れる様になってから、鹿が減った」とチーさん。
山道に入る。尾根を越える。渓を越える。
すぐに目一杯になった。山道の歩き方さえ知らない身には
過酷な重労働だ。息は上がるが、足は上がらない。
「こりゃ、酸素吸入器が必要だ!」
チーさんと義弟は悠然と登り、飄々と下る。着いて行けない!
「もう討ち死にだあ」。息も絶え絶えになった頃、「ワン、ワン、ワン」
渓底から白い柴犬の「サスケ」の吠え声。そして「バーン」。銃声一発。
数秒後には「獲れたぞーッ!」とチーさんの声が聞こえた。
10分後現場に着いて目にした光景は、「何が起こったの?」という
目をして坂にしゃがんでる150k以上ありそうな雄の大物。
角が歴戦の勇者振りを物語る。
ロース2本、内ロース2本、およそ20kの肉を背負って、
再び地獄の特訓に挑むオイラを憐憫の目で見ながら
義弟はニヤリと笑って言った。「来週の日曜日、また来るかい?」
む、む、むッ!そこまで言われると鹿、獲りに来るしかないか!