【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

加齢なる生き方

「お待たせして済みませんでした。何しろ緊急の患者さんが来ちゃうとね…。昼飯食ってた訳じゃありませんよ。それにしても、お待たせして申しわけありません。
じゃあ、掌見せてください。う〜ん、写真じゃよく分かりませんが、大分大きくなりましたね。痛みはどうですか?そうですよね、ココまで大きくなれば突っ張って痛くなる。そろそろ手術したほうが良さそうですね。どうですか、手術、大丈夫そうですか?
入院が何日になるかは確定できないけど、抜糸するまで入院してたほうがいいです。まあ、お忙しいのは分かりますが、結構面倒な病気なんですよ。
前にもお話したように、この“デュピュイトラン拘縮”と言う病気は、掌の皮膚の下部にある結合細胞が厚くなり傷跡になる稀な手の奇形です。ほおっておけば指がかぎ爪みたいになり、日常生活に支障をきたします。遺伝的疾患と言われてますが、原因は不明。40代以上の男性に多くみられます。つまり、加齢によって起こる病気とも言えますな。
治療法は殆どない。手術だけです。それも結構難しい手術です。局所麻酔?とんでもない!当然全身麻酔です。その前に手術できるかどうかを検査しなくちゃならない。そんなんこんなんで、二週間は入院ですかね。
で、よしんば手術ができたとしても、完全に元通りになると思ってもらっちゃ困ります。再発する事だって考えられる。さて、どうします?
手術する?じゃあ、そうしましょう。え〜と、じゃあ、16日に検査、本当は一週間ぐらい前がいいんですが、東京に行ってるんじゃ仕方ない。で、入院は17日に。手術は19日にしましょう。抜糸までは手を使えないからその積りで。運転?とんでもない。パソコンもダメですね。
じゃあ、7番窓口で入院の手続きをして、今日はお帰りください。まあ、一応私は手専門の整形外科医ですので、あまり心配なさらないように。いずれにせよ、遺伝的なものと加齢で起こってくる病気です。「お酒は控えめに、食事にも気をつけて、ウォーキングなどの運動の励行を」と、患者さんには“加齢なる生き方”をオススメしてるんですがね、生活習慣を変えるのはなかなか難しいようです。まあ、それはそれとしてお待たせして済みませんでした」。
『う〜ん、…加齢なる生き方かア。それにしてもエライもんに罹っちゃったなあ。暫くブログも、どんぐり関連もお休みだなあ。パソコンに連絡を貰っても、返信できない。意図的に返信しないと捉えられるのはまずいしなあ。頻繁にやり取りしてる人だけには、連絡しておくか。それにしても二週間。長いなあ。まあ、ウォーキングと読書はできるから、それだけでも良し、としなけりゃナ』