【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 ファッション景気論!

ティッピングポイント(臨界点)という言葉がある。
それまでは何事もなく安定してるのだが、ある条件が満たされると「待ってました!」とばかりに、活動を始めるポイントのこと。核分裂現象に使われる。
まあ、ヤカンのお湯の沸騰する、その最初のひと沸きみたいなモノである。
驚くことに、そのティッピングポイントが、わが庭のアチラコチラで展開されてる!
つい一週間前まで覆われてた雪が解けるや否や「待ってました」とばかりに生命の活動が出現したのである。一体、いつの間に準備してたんだろう?

ポッカリ花咲いた蕗の薹、黒土を割って出てきたラッパ水仙、もう二葉に分かれたチューリップの芽、レンゲツツジも大きな蕾を膨らませてる。
まさに「ソラ、これからはオレラの季節だぞ」という感じなのである。
そういえば子ども達はジャンバーを脱ぎ、サイクリングオヂサンも毎朝、軽快に自転車で疾走してる。校庭では中学野球部が溌剌と動き回り始めた。
「やっぱり、植物だけじゃなく、人間だって“光合成”してる」

しかし、この幸せな気分は長くは続かない。ニュースを見る度“これからが世界の厳冬期”を思い知らされるからだ。一体、いつになったらホンマモンの春が世界に来るんだ!
「折角、険しい顔してた雌阿寒岳も柔和な表情になり、噴火も納まりつつあるのに」。

「まあまあ、そんなにイライラしなさんな。もしかしたら、世界もひたすらティッピングポイントを待ってるのかもしれぬ、ワシだって、準備万端、条件が整うのを待ってるんじゃから」。ヤマザクラのまだまだ固い蕾が言った。

「それよりもいい事教えてやろうか。気付かんか、この春、都会の女の娘のスカート姿が増えたことを。それも明るい色が増えておる。
女の子のファッションと景気は関係あるからなあ、もしかしたら景気が底を打ったサインかも知れぬ」。そうかなぁ、それだといいんだけど・・・。