【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 エネルギー溢れるエネル木!

▼この世の中は“4つの力”で成り立ってるという。“4つの力”とは、1重力、2電磁力、3強い力、4弱い力と、科学書には書いてある。

(誰に教わったんだろうか、ハイマツの新芽は「ひとつ上」をめざす)
▼ま、1の重力は分かる。万有引力のことだ。2の電磁力も分かる。磁石のNとSの間に生まれる力を思い浮かべればいい。3は難解だ。超略説明すれば、物質の分解を防いでいる力とでも言えるだろうか?「核力」と呼ばれ、モノが形を保っていられるのは、この力のお陰と言ってもいい。4の弱い力は今話題の放射能が分裂、自然崩壊していく力だという。
福島原発放射能問題の素となってる力のことだ。
▼なんだぁ、この世の中はたった4っつの力で成り立ってるんだぁ、大したことないなぁ…と思ったら大間違い。4つの力は自然界における物理的な話であって、人間が絡むと“無限大の力”が姿を現す。
▼「体力」「気力」「脚力」「筋力」「脳力」「努力」「忍耐力」「精神力」…何しろ単語に“力”の文字をつけるだけで、“新しい力が力をつける”のだから“力”の開発は無限となる。

(雪の重みで枝が割れたり、折れたりしたのに、オンコの新芽は気にかけもせず葉を伸ばし始めた)
▼“力”の開発にビッグバンが起こったのは、作家赤瀬川源平が出版した“老人力”だったような気がする。以降、“力”の氾濫が始まった。最近では、“女子力”“目力”“小悪魔力”“ヒット力”などのほか、“保身力”“口撃力”“沈黙力”“自己主張力”“東京力”など、いささか破れかぶれ、もしくは無理矢理つけた“力”も目立つ。
▼そうした“力”乱開発の風潮について、植物の新芽たちは抗議する。「本来、“力”とはそれ自身が持つエネルギーのこと。それを乱す言葉のピジン化を、あまりすべきじゃありません。生物にはたった一つの言葉でいい。それは“生命力”です!」

(3年ぶりに出てきたシイタケ。凄い生命力だ。ハンマーで叩くとまだ出てくると地元の人は言う)
▼う〜ん、生物には“生命力”以外に言葉は要らないかぁ…。さすがに動物の大先輩だ、言うことが違う…!
そうだ!“生命力”に溢れる木々”を“エネル木”と呼んだらどうだろう?例えば再生可能エネルギー会社の庭には、“エネル木”と呼ぶ木々を植栽する…。エッ、懲りないやつだなぁ…って?