【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 「浜茄子」!

▼♪知床の岬に〜 浜茄子の咲くころ〜♪もうご存知の、「知床旅情」の出だしの一節である。森繁久彌の歌もさることながら、加藤登紀子の歌は遠く知床半島を忍ぶ心の一曲となった。

▼ただ、恥かしながら、ここでもヒドイ思い違いをしてた。というのも、故郷の長野県小布施に育つ「小布施茄子」と同じ類の茄子と思い込んだのである。
▼「小布施茄子」はどういうわけか、町内を流れる千曲川河川敷の畑でしか生育しない。それも砂の畑でしか実を結ばない!この、砂の畑のイメージが「浜」と結びついたのである。「浜茄子」は砂浜で育つ茄子、がイメージだった。

▼もうお気づきのことだと思うが、実は浜茄子は「茄子」じゃない!「実が梨に似てることから「浜梨」と呼ばれてた。それが訛って「ハマナス」になった…。ここでもとんでもない思い込みをしてたわけだ。いやはや、不明を恥じるのみ…。
▼教えを乞うた。「ハマナス」:バラ科バラ属落葉低木。「5〜7月頃赤い花を咲かせ、8〜10月親指ほどのオレンジ色の実を付ける。実は弱い甘みと酸味があり、健康食品としても注目を浴びてる」と友人は言った。

▼何でも、最近は自生のものは激減しており、改良品種が大半らしい。「だから、赤い花だけじゃなくピンクや白いハマナスも増えてきた」。
▼確かに改良品種が増えたり、多様化するのもウレシイが、何と言っても北海道を代表する花だ。「小布施茄子」のように、その地でしか生育しないという頑固さを放っておくのもいいんじゃないか、とも思う…。