【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 秋桜花!

▼最近は、花の名前を英字やカタカナで表記することが多い。だが、情緒を醸し出すには漢字で表記したほうがいいと思う花が多い。
▼「アジサイ」はやはり「紫陽花」のほうが情緒的だし、コスモスも「秋桜」、それも「秋桜花」(シュウオウカと読みたい)のほうが味がある、そう思うのは不肖ワタクシだけだろうか?

▼コスモスはメキシコが原産地のキク科コスモス属一年草の総称。スペインに導入されて世界的に広まったという。ネーミングは宇宙、秩序、調和等を示す「コスモス」から採ったらしいが、「混沌」などのニュアンスもあり、どうも自分の感覚には違和感がある。
▼もっとも花言葉の「乙女の心」や「少女の純潔」など、花の色や形状から想起できる言葉は一々頷ける。要は小学生時代、花弁を間抜きして、ヘリコプターなどと称してクルクル飛ばしたおもちゃのイメージが「コスモス」。「秋桜花」は、その当時にオトナの呼び方として脳にインプットされてしまったのかもしれない。

▼「秋桜花」は、実にしなやかである。風のままに頷き、風のままに首を左右に振る。風が少し強めに吹くと、柳腰を折りながら受け流し、風をもてあそんでるようにも振る舞う。
▼だが、夕凪ともなると青空を背筋をシャンと伸ばし、青空に自らの清楚な美しさをアピールする。その姿はやはり、「コスモス」と言うよりも「秋桜花」のほうが味わい深い。そうそう、そういう呼び方のほうが似あってる…。