【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

SL冬の湿原号とホーストレッキング!

※「何者だろう 地平に一条の煙は上がり やってくる やってくる 黒い鉄の塊 無骨者の律義者…」詩人の「谷川俊太郎」は、写真家「関沢新一」の蒸気機関車写真集の冒頭でそう書いた。

※もう50年も前の書き出しを忘れないのだから、インパクトは相当なものだったんだろう!その大好きだったSLが釧路湿原を走るという。しかも「二重連(機関車が2台で曳く)、さらには雪原を乗馬クラブの馬たちが並走する…」。こりゃ見逃すわけにはいかない!

※SL冬の湿原号は毎年厳冬期、雪の湿原を疾駆する釧網線のSL観光列車だ。釧路川、野生動物との遭遇、そして力強いSLの組み合わせは、冬のドラマチックな体験として人気が高い!

※毎年1月中旬から3月上旬の週末、「釧路⇔川湯・標茶」を往復する。老体に鞭打って働くのは三軸動輪の「C11171」。もうどれだけの距離、北の大地を走り続けてきたのだろう。

※午後12:43。地平に上がる黒い煙。「来るぞッ!」煙、近づいてくる。馬、走り出す。シャッター、押す。機関車、迫る。馬、疾駆する。機関車、並ぶ。シャッター、押す。機関車、馬通り過ぎる。客車、去っていく。警笛、鳴る。SLの挨拶、見送る。約50秒のドラマ、了る…。大勢の見物人、散っていく。

※いまだにSLの人気は根強いという。なぜ、人はSLに心を奪われるのか。ある人は言う。「巨大な鉄の塊が喘いだり、スキップしたり…。まるで感情を持ってるみたいだ。まさに我々の人生みたいじゃないか…」そのことを考えつつ家路につく。