【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

国立公園釧路湿原上空450m!

二つの国立公園に囲まれて住んでいる。ひとつは、阿寒湖、摩周湖屈斜路湖などを含む、阿寒国立公園。もうひとつは、丹頂鶴の生息地として知られる日本最大の湿原、釧路湿原である。
その釧路湿原の上空を再び飛ぶ機会に恵まれた。
名物の霧が晴れてきた朝4:45、身震いしてた機は、軽やかに離陸した。湿原をまだ晴れきれない低い霧や雲が覆ってる。 その雲海の上空をめざして上昇する。先に離陸した僚友機が見えてきた。
彼らも雲海上空を目指してるようだ。
鳥人”のヒトシさんによれば、「雲海の上空を飛べるのは物凄くラッキー」なんだそうだ。

突然、雲海の切れ目から広大な湿原が見えた。先日の大雨のせいで水浸しだ。
ま、湿原と言うくらいだから、水が豊富なのは当たり前の話だが、何しろ東京23区が水浸しだと想像してもらっていい。旱魃に悩むオーストラリアやアフリカの人々が見たら、「何とまあ、贅沢な!」と思うに違いない。
観光施設だろうか、大きな建物とクルマが3台、水原に取り残されてた。

僚機は高度を下げて低空を飛んでいる。その下にはまるで判じ物のような模様を描く、水浸しの湿原がある。切る風が気持ちよかった。
そういえば「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」が、『アイヌ民族先住民族』であり、今後さまざまな政策の必要性を盛り込んだ『アイヌ新法』の制定を明記することで合意したらしい。
釧路湿原は、今の形になったのが3,000年前だといわれる。我々の先住民達は、山の上からこの雄大な風景を眺めてきた。彼らはそこにカムイ(神)を見たに違いない。

鳥人”と“鳥人もどき”を乗せた機は、フワリと着陸した。鳥になった余韻が残ってる。一旦休憩!
鳥人”たちの、話題はここでも空を飛ぶ。分ったことがひとつある。
彼らは鳥になるのが好きなだけでなく、機械好きという事だ。バイクも好きだ。車も好きだ。そうして不都合があれば自分で直してしまう。会員に誘われたが、“機械オンチ”の自分にはムリだ。
コーヒーを御馳走になり、再び空へ。ヒトシさんが指で下を指す。何と湿原にシカが10頭ほどいる。近くにはタンチョウの姿も見える。

高度がグンと下がった。地表すれすれ。シカたちが呆然とコチラを見てる。眼が点になってる!「何が起こったんだ!」。機はその横をすり抜けた。
必死でシャッターを押したが、上手く構図を取れなかった。
どうやら自分は“機械オンチ”だけじゃなく、“機会オンチ”でもあるようだ。参ったなあ。