【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

「愛すランド」

※-13℃。予報どおり10cm強の積雪。真っ暗な闇の中、除雪車の重低音が響く。今季初出動だ。やれやれ、朝イチで雪掻きしなきゃなるまい。今シーズンの「アイスランド」の始まりだ。強風注意報が出てるから、体感温度、-20℃にはなるだろうなぁ。

 

(午前7:00。写真の奥には道路除雪車。赤いヤッケのオジサンの手前には85歳のバーチャンも)

 

※何しろ除雪・雪掻きは、何を差し置いても最初にやらなきゃならぬ作業、住民の意思が完全にひとつに統一される朝の作業だ。プライオリティNO.1「総員出動」。地域の意思がこれだけ纏まることは大谷・栗山のWBCにも、コロナ禍のWHOにも出来まい。

 

※在京時代、オホーツク豪雪地帯「遠軽」(えんがる)出身のボスは言った。「皆、肩寄せ合って生きてきたのよ、北海道は」。なるほど、協力してかぁ・・まさに「愛すランド」だなぁ。氷河期の人類も肩寄せ合いながら、厳冬を乗り越えてきたに違いない。

 

オンネトーの澄んだ氷の中に固まったメタンガスの泡。氷を割ると火が付く。奥は阿寒富士)

 

※だが「愛すランド」には、もう幾つも誇るべき貴重な宝物がある。「極寒の神秘現象」がそれだ。空気中の水蒸気が氷箔となって降る「ダイアモンドダスト」、樹木が極寒で割れる「凍裂」、湖の「御神渡り」、海岸に光る「アイスジュエリー」・・・。

 

(何の写真か分かりますか?最初に見たアイヌはカムイ(神)=サムシンググレートと思ったに違いない)

 

※数えればキリがないが、あっちゃんが配信してくれたオンネトーアイヌ語で古い沼)の「アイスバブル」もその一つ。湖底から湧出するメタンガスが、氷に閉じ込められてしまうこの神秘現象、実際に目にした人は宇宙飛行士より少ないかもしれない。

 

先住民族アイヌ人は全てのモノ・コトにカムイ(神)が宿ると考えた。その文化は唄や文様、踊りなどで今に伝承されてる。分子生物学者、村上和夫和雄は言った。「科学では説明できない神秘がある。それを自分は『サムシング・グレート』と呼んでる」。

 

※人の命を「消耗品」扱いし、兵器と侵攻に邁進するプーチン&ネタニヤフ、その他の独裁者達よ、「愛すランド」と「カムイ」、そして「サムシンググレート」の言葉だけは覚えておきなさい。いずれキミらにも悔恨と悔悟の時が訪れてくるだろう。

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    村上和雄:遺伝子学者 分子生物学者 2021年没 著書「生命の暗号」など多数