【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

「前田正名&チャック・フィーニー」

※「人はパンのみにて生きるに非ず」。聖書「マタイによる福音書4章4節」に記されたイエス・キリストの言葉だ。が、誤解を恐れずに言えば旧約聖書モーセの時代、いやそれより遥か以前から「大半は、パンのみにて生きてきた」と言えるんじゃなかろうか。

 

※いま、世界中を騒がせてる「トランプ」や「プーチン」「ネタニヤフ」「金正恩」などはその典型だと言える。だが、極めて少数の人は、奴らとは反対の生き方をしてる。阿寒湖周辺の広大な「阿寒の森」を公共の森とした故前田正名がその1人だ。

 

(上空から見た雌阿寒岳と朝陽。中央左上に阿寒湖が見える。あっちゃんの写真をシェア。エゾシカも)

 

※正名は明治2年、フランスに留学。8年後に帰国し、大蔵・内務・農商務相などを歴任、晩年政府から阿寒湖を囲む3600k㎡の未開地の払い下げを受けた。正名はこの未開地を「前田家の財産は全て公共の財産と為す」の家訓に従って、「伐る山から観る山に」すべき。皆の共有財産にすべきと考えた。自然保護の大々先駆者だった。

 

(「阿寒の森」で悠々暮らすエゾシカ♂。保護区になってなけりゃこんなに悠然と暮らしていられない)

 

※正名の没後、妻光子が1983年に全所有地を「前田一歩財団」に寄付。ホテルや公共施設などに無償、有償で貸与、「阿寒の森」として森林の保全事業、自然普及事業、野生動物保護事業などの財源として運用している。アイヌの人たちにも生計の道を開いた。

 

※もう一人はビル・ゲイツウォーレン・バフェットなどが「比類なき人物」と讃えた「チャック・フィーニー」(昨年10月5日逝去)である。「最も裕福な米国人400人」に名を連ねた大富豪だが晩年はサンフランシスコの質素な賃貸住宅に夫婦で住んでたという。

 

 

※「生きている間に財産の全てを寄付する」という誓いを忠実に守ったからだ。生涯に寄付した金額は(しかもその多くは匿名で)約1兆2千億円に上るという。「富は責任を問う」「死に衣装にポケットはない」などの数々の名言を残したという。

 

                   ★

※このお二人に感銘するのは「ヒトの生き様」だ。金銭欲、名誉欲、支配欲、自己認証欲・・「パンのみにて生きる人々」(自分、ことに「トランプ」や「プーチン」「ネタニヤフ」「金正恩」、おっと忘れてた、「習近平」などの政治家、指導者達にお二人の「生き様」の爪を煎じて差し上げたい。さぞかし苦いことだろう。