【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

「植物も眠る」

※少年時代、貰い風呂をしてた三田農園の茶の間には、いつも広沢虎造浪曲が掛かってた。しかも大抵♪草木も眠る丑三つ時♪が入った。子供心にもこの時間帯は「幽霊や鬼などが出る真夜中」だと分かった。何しろ草も木も眠っちゃう時間なんだから・・・。

ニリンソウオオバナノエンレイソウのお花畑も夜は眠ってる?)

 

※「でも、本当に草や木が眠るのか?」この疑問の解答を実感するのは、恥ずかしながら当地へ移住してからだった。当地じゃ雪解けが始まるとまず福寿草が花開く。が、咲いた筈の翌朝、彼らは背を丸めて下を向き、口を閉じてる。「アッ、眠ってるっ!」

 

※これはタンポポでも同じだった。多くの人が「単に気温差に反応してるだけさ」と言うだろう。だが、その頃から自分は「植物も動物同様、睡眠を必要としてる」と思い始めた。「丑三つ時」には全生物が眠ってる・・・そりゃ、魑魅魍魎が徘徊するワケだ。

(寝ぼけ眼のタンポポ。7:10撮影)

タンポポは、まるで「起きたくない」と訴えてるようだった。「植物も眠るんだ」の実感は、その後確信となる。弱々しい太陽の光が当たり始めると、彼らは背を伸ばし、太陽を向いて、楽しそうにお喋りを始めるのだ。「起床の時間だゾ」「おはよう」。

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(当地じゃあまり見かけない夏桃の花も満開。夜はどうしてるんだろう)

(8月中旬には赤い実をつける。子供の頃の贅沢なおやつだった)

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※愛猫クルルはようやく膀胱炎を脱したようだ。ここ1カ月ほど尿の潜血反応は観られない。彼の場合「丑三つ時」は勿論、日がな一日中寝てる。「猫は寝るのが仕事だ」とか「寝る子は育つ」(クルルは人間で言えば壮年だ)とか寝ピクしながら薫風に吹かれてる。

(暫くぶりにガラス窓越しに肉球を見せてくれた。いくら眠ってもいいから、このまま元気でねっ!)