【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

 今年の重大ニュース!

『今年もいよいよ年の瀬です。8時になりました。では、道東地方のニュースをお伝えします。
釧路市阿寒町では、年末というのに早くも蕗の薹が顔を出し、この10年で最速の芽吹きとなりました。地元では、温暖化もここまで来たかと気味悪がられています。
次も、温暖化関連のニュースです。釧路管区気象台では、来年春までの3ヶ月予報を発表しました。それによると、来年3月までも暖かく降雪量は少ない、ということです。積雪が少ないため釧路湿原の乾燥化が懸念されています。8時のニュースを終ります』
温暖化CO2犯人説、温暖化人為説を唱える学者達は、1980年代から「2030年の年末天気予報」はこんな風になると、警告を発していた。
一方、人為説に懐疑派の学者達は「とんでもない暴論、温暖化は地球の一時的サイクルに過ぎず、何千年か後には氷河期が到来するだろう!」と、異論を唱えた。
石油メジャーや自動車メーカーは、懐疑派を重用して「地球は温暖化ではない!」という派手なキャンペーンを何十年間も展開してきた。
だが、温暖化人為説を裏付けるデータが次々に発表される中で、世界は温暖化防止に向けて動かざるを得なくなった。
その大きなトレンドがようやく動き始めたのに、人為説の根拠ともなるデータに、捏造らしきものが噴き出てきたのである。データを誇張して、温暖化CO2犯人説を煽ろうとしたらしきメールが流失したのだ。
スワッ、大変だ!ウソだったんだ!全世界が一瞬激震に襲われた。マスコミは、“クライメイトゲート事件”と名づけ、一斉に大報道に走った。
だが、よくよく冷静に調べてみると、なあに、大したことじゃない。温暖化はどう間違っても寒冷化に向かうことはない。学者同士のテリトリー争い、というのが真相のようだ。
むしろ人類の絶滅を防ぐ温暖化の防止が、目下の最大のテーマであることが改めて確認された。やはり、釧路湿原の乾燥化の懸念は高まっているのである。
年の瀬、マスコミ各社は今年の10大ニュースを発表した。見る限り“クライメートゲート事件”は、どこにも入っていなかった。
だが、この事件から学ぶことがあった。学者によって別の未来が提示されている事実、その事実こそ人類にとって、マスコミが選ぶ今年の10大ニュースより遥かに重要な意味を持つ「重大ニュース」だと言うことだ。
その事実には怖れを抱いたほうがいい。為政者や企業が、学者を利用すればいろいろな未来が可能になるということなのだから。
ところで、来年は五黄の寅年、波乱万丈の年と言われる。さて、どんな年になるのか。希望と不安が去来する。何はともあれ、よいお年をどうぞ。