【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

名づけ!

「名前は重要なのよ、もし人間の子に“雑巾”と名付ければ、その子は一生雑巾になってしまうの」。
子供の頃母親に何度も聞させれた話だ。ただ、彼女は自分の息子にはそういう配慮をしなかった。
これも子供の頃よく聞かされた話だが、「お前の本当の名前は勇作だったの。でも婆ちゃんが近所に勇作と言う泥棒が居るから嫌だって、勝手に役場に行って今の名前に書き直して来ちゃったの」。
そうかぁ、それで初めから人生、撚れてたのかもしれない。
(去年の写真、北海道ではアイヌネギ、本州ではギョウジャニンニクだ)
今回の大震災が発生直後、気象庁はこの大地震を『平成23年東北地方太平洋沖地震』と名づけた。ところが、翌12日、共同通信加盟社の毎日新聞中日新聞などには『東北関東大地震』というブチヌキの大見出しが印刷された。
NHKニュースもこの名前を使ってたように思う。
3月20日頃からは、地震名よりも『大震災』と言う呼び方が実態に近いことが分かってくる。そこで各社は『東北関東大震災』という名称を使い始めた。ところが、別のメディアでは『東日本大震災』という呼称が目立ち始める。
一体、どっちなんだぁ!確たる被災のイメージが伝わらんじゃないか!

ギョウジャニンニクと言われても、アイヌネギは戸惑うだろう)
さすがに、批判があったのだろう、政府は4月1日にこの未曾有の大震災を『東日本大震災」とすることを決めた。何と発生から20日もたって、ようやくその実態を明確にする名前が決められたのである。
因みにNHKは最後まで『東日本大震災』を使うことに抵抗してた。何故だろう・・。
生物にとって、多様性は最も重要な要素だと思う。しかし、名づけの多様性はコミュニケーションやイメージ形成のためには弊害となるケースが多い。こういうことも、為政者は普段から頭に入れておくべきだろう。さまざまな混乱を招かないためにも。