【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

水霜!


※二十四節季では「立冬」も近いが、台風27号後、朝は「寒露」、日中は小春日和の日々が続いてる。初霜は降りたが、季節は一旦「寒露」に逆戻りしてるのである。本州で言えば10月上旬並みと言ったところだろうか?
※朝起きると、石楠花の葉にも車のボンネットにも夥しい結露を見受ける。が、長年住んでる人たちは「ツユ」とか「ケツロ」なんて野暮な言葉は使わない。「ミズシモ」(水霜)と言うのである。

(フロントグラスやボンネットからは流れ落ちるほど大量の「水霜」が…。空気の営みを感じる)
※「水霜」…何て美しい言葉だ。霜でもない。露でもない。その中間のビミョーな情景を実に繊細に捉えた方言だ。地域と密着した方言じゃなくては言い表せない情景と言っていいだろう。

(ウッドデッキは屋根から流れ出した「水霜」が太陽の光に反射してフシギな光景を造り出してる)
※かつて「地方の時代」という言葉が巷に溢れた。地方も中心都市も新しい時代到来の予感に胸躍らせた。だが、「地方の時代」は幻と消えつつある。限界集落も多発する。経済主導による「地方の時代」だったからである。
※全国一律の歳時記じゃ表せない地域独特の情景。地域、地域でしか発現しない地方独特の季節感。それを句界では「地方季語」として尊重するようになった。「地方歳時記」の登場も考えられる。
※ホンモノの「地方の時代」とは、実はそうした地方文化を尊重し、「ケイザイ」や「サンギョー」だけに頼らない第三の環境づくりをすることだったんじゃないか?

(日中の小春日和は、毎年裏切らない紅葉の名所が冬籠り前のひと時を癒してくれる)
※「地方出のお役人達ヨー、自分の出身地、方言を忘れること無かれッ!地方出身者ということに誇りを持てッ!」だ。そして地方に暮らす住人たちよ、「自分たちの風土に、方言に、文化に、誇りを持てッ!」だ。