【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

二十四節季・七十二候

※3月6日は二十四節気のひとつ「啓蟄」だった。冬籠りの虫が地表に出てくる頃の気候である。それにしても実に繊細な季節感である。1年を二十四の季節の変化に分割し、季節は約15日で変化するものと考える。

(今年は去年より1週間以上早く芽を出したような気がする。アイヌネギも早いかも…)
※しかもその15日を「初候」「次候」「末候」の3つに分け、5日ごとに気象の動きや動植物の変化を教える…つまり七十二候は、わずか5日で気象は変化するのだということを広くあまねく知らせる役割を持つ。
※そもそもは中国からもたらされた文化だが、これほど鋭敏な季節感で大自然に寄り添って生きてきた民族は日本人だけかもしれない。それが「刻は一瞬たりとも留まらない」という「無常観」の基となったんじゃないか?クールジャパンのルーツなんじゃないか?

(つい3日前には、新雪が積もってたが、この2日間で解けた。すると……。手前の白は残雪)
※日本人は、自然に寄り添って生きるという世界に冠たる哲学と文化のDNAを育ててきた。暴風雪が吹きまくる世界異常気象の中で、このDNAの堅持こそ「美しい日本を取り戻す」であり「積極的平和主義」「教育改革」の軸になるんじゃないだろうか。
※それはそれとして、暴風雪が荒れまくった後の今日、残雪の脇からチョコンと顔を出してる福寿草の芽を見つけた。どうやら「啓蟄」は、福寿草にもそろそろ地表に頭を出しなさいと命じたようである。改めて二十四節気・七十二候の季節感、そしてそれを表す言葉に感じ入っている。

★3年前の3月11日14:46分を決して忘れない。あの瞬間は、ステレオ修理に来てたソニーの技術者と二人で必死に書架を抑えてた。揺れが収まると電話が鳴った。「これから阿寒に逃げる」釧路市の義妹の金切り声が聞こえた。
★1時間以内に釧路郊外に暮らす一族が続々と到着した。その数、子供も含めてなんと18人!テレビでは、どす黒い波と流された家が宮城県名取市の田園地帯を呑込んでいく様が映し出されてた。東北取材の帰り、度々立ち寄った新鮮な魚料理で有名な閖上地区の光景だった。
★その先には、黒い波から逃げる車と人影が…。まさに地獄の光景だった。皆、固まって画面を食い入るように見ていた…。翌朝まで津波被害のニュースが続く中、原発メルトダウンを知った。
★3年経ったいま、47都道府県の1200市町村に避難してる「原発難民」「津波難民」は、約26万7000人。政府だけじゃなく、自分も含めた日本社会はこの事実をどう解決するんだろうか?心が痛い!