【スローライフ阿寒】

自然の中に置かれると人は何を、どう、考えるのか、ゆっくり対話しながら生きたい

文明の衝突!

▼野球の世界一位を決めるWBCワールド・ベースボール・クラシック)は、三連覇を賭ける日本が準決勝で敗退。メジャーリーグ選手を多用したドミニカが、負けなしの8連勝で初優勝を飾った。完全優勝は史上初のことである。
▼流石に世界のトップを争う大会だ。超一流の選手たちが超一流のプレーを披露してくれた。さまざまな名シーンが思い出される。だが超一流のプレー以外にも強烈な印象を残してくれたシーンがあった。「右手」と「左手」の違いである。

(この本、違った文明同士がどう融合したのか…我々が抱くアイヌ文明の誤解をかなり溶いてくれる)
▼日本の右バッターの場合、軽くタイムを掛ける時大抵、投手に向かって「左手」を挙げる。「チョッと待って!」というワケだ。だが、他国の右バッターは審判に「右手」を挙げ、「タイム!」をアピールする。(左バッターの場合は逆になる)
▼両方とも「チョッと待って!」の意味なんだが、その違いは大きい!「左手」を挙げる場合は、投手と1対1の関係だが、「右手」の場合はゲーム管理者との関係ということになる。二国間交渉と多国間交渉の違いである。
▼さらに言えば「左手」…つまり「野球」の場合、戦国時代の武将同士の一騎打の様相を呈するが、「ベースボール」の場合は、近代戦=ゲームを管理する第三者に、全ての判断を委ねるのである。

(枯れ草と後退していく雪、そして準備万端の緑が違和感あるものの同居中だ。何だかフシギな光景…)
▼サミュエル・P・ハンチントンは、地政学的文明の違いを「文明の衝突」で書いた。アメリカとカリブ、そして日本…。日本の中でもアイヌと和人との文明の違い…そんなことも考えさせてくれた意味で今回のWBCは面白かった。
グローバリズムが叫ばれてる。一方で、地域の有効性やナショナリズムが取りざたされてる。実は、いまもいろいろな文明が混在するカオスの時代なのかもしれない。しかも、そのカオスは人類が存在する限り続くのかもしれない…。
▼最近、阿寒では冬と春が同居する季節を迎えてる。いや、秋冬春の三つの季節が混在してると言ってもいい。何やらフシギな感覚である。ただ、こうした混在も今後の世界には必要のような気がしてきた。
いやぁ、半珍頓(半分トンチンカン)の不肖ワタクシは、そんな風に思うんだが…。